評価替事務の今後のあり方を考える ~ Vol.3
2025.03.13
VOL.03 縦覧期間の延長
同法第415条によれば、『市町村長は、毎年3月1日から3月20日までの間、固定資産課税台帳をその指定する場所において関係者の縦覧に供しなければならない』とされている。
この規定に示すとおり、縦覧期間は僅か20日間であり、この間に自己の財産の課税現況等を全てチェックし、かつ評価のプロセス並びに近隣相互の評価のバランスについてチェックするのは到底不可能である。
この規定は、あえて言えば古き良き時代の「お上のやることに間違いはない」という意識の体現に他ならない。
更に、現実的に、評価年度にあっては3月中の縦覧はほとんど無理である。
また、課税誤りは縦覧期間中にかかわらず随時対応しなければならず、実際そのように対応している市町村も多いと聞いている。
これらの状況を考慮すると、縦覧期間も20日ではなく、少なくとも6ケ月位はあっても良いと考える。
また、縦覧の方法であるが、まず路線価の仮算出を行ってこれを全面公開し、6ケ月間にわたって納税者の申出を受け、もし路線価が不当であれば納税者が関係資料を添付して市町村に申し出るものとし、市町村はこれに相当の理由があれば現地調査・納税者への聴き取り調査・専門家の意見聴取を行い、訂正があれば訂正し、なければ理由を付して納税者に回答するようにすれば、路線価レベルの問題の大半は解決するものと思われる。
同法第415条によれば、『市町村長は、毎年3月1日から3月20日までの間、固定資産課税台帳をその指定する場所において関係者の縦覧に供しなければならない』とされている。
この規定に示すとおり、縦覧期間は僅か20日間であり、この間に自己の財産の課税現況等を全てチェックし、かつ評価のプロセス並びに近隣相互の評価のバランスについてチェックするのは到底不可能である。
この規定は、あえて言えば古き良き時代の「お上のやることに間違いはない」という意識の体現に他ならない。
更に、現実的に、評価年度にあっては3月中の縦覧はほとんど無理である。
また、課税誤りは縦覧期間中にかかわらず随時対応しなければならず、実際そのように対応している市町村も多いと聞いている。
これらの状況を考慮すると、縦覧期間も20日ではなく、少なくとも6ケ月位はあっても良いと考える。
また、縦覧の方法であるが、まず路線価の仮算出を行ってこれを全面公開し、6ケ月間にわたって納税者の申出を受け、もし路線価が不当であれば納税者が関係資料を添付して市町村に申し出るものとし、市町村はこれに相当の理由があれば現地調査・納税者への聴き取り調査・専門家の意見聴取を行い、訂正があれば訂正し、なければ理由を付して納税者に回答するようにすれば、路線価レベルの問題の大半は解決するものと思われる。
評価替事務の今後のあり方を考える ~ Vol.2
2025.03.06
VOL.02 申告主義の部分的採用
地方税法の建前からいうと、評価から課税に至る全てのプロセスについて一方的に市町村が全責任を負うような仕組みとなっているため、 市町村の負担は大きく、それが評価替事務の外部委託に繋がり、巡り巡って納税者の負担となって跳ね返ってくるという悪循環になっている。
ところで、地方税法では小規模宅地の減額の特例等のように、納税者に申告させることができるとの規定がなされている。
しかし、現実には納税者がよく分からないため、課税側が全てチェックしているのが実情である。
したがって、納税者の課税財産である課税客体の現況等について、少なくとも評価替年度毎に申告義務を課すようにすれば、納税者の意識も向上し、自己の財産についてチェックを心掛けるようになり、その結果として現況等の相違による課税誤りも相当減少するものと期待される。
地方税法の建前からいうと、評価から課税に至る全てのプロセスについて一方的に市町村が全責任を負うような仕組みとなっているため、 市町村の負担は大きく、それが評価替事務の外部委託に繋がり、巡り巡って納税者の負担となって跳ね返ってくるという悪循環になっている。
ところで、地方税法では小規模宅地の減額の特例等のように、納税者に申告させることができるとの規定がなされている。
しかし、現実には納税者がよく分からないため、課税側が全てチェックしているのが実情である。
したがって、納税者の課税財産である課税客体の現況等について、少なくとも評価替年度毎に申告義務を課すようにすれば、納税者の意識も向上し、自己の財産についてチェックを心掛けるようになり、その結果として現況等の相違による課税誤りも相当減少するものと期待される。
評価替事務の今後のあり方を考える ~ Vol.1
2025.02.27
VOL.01 はじめに
担保執行法制の改正については既に周知のことと思われるが、ここであらためて改正に至る経緯とその後の状況並びに今固定資産評価の問題は、つまるところ市町村の説明責任に尽きると思われる。
しかし、前述したように土地評価当たっては複雑多岐にわたる行政法の問題の他、評価要因の選定やデータの精度管理等、一担当者の能力の限界を超える問題も少なくない。
このような中で、各市町村が評価そのものを外部に委託する方向に行くのは仕方ないとしても、基本的な部分、つまり道路の管理、土地図面の整理、都市計画法・建築基準法等のルールの明確化・開示等の、評価の基本となる基礎的インフラ整備がなされないことには、何時までたってもミスはなくならない。
評価に完全を求めれば究極的には1筆実測・1筆鑑定となり、コスト的には破綻するほかはない。
したがって、評価精度の向上にも限界があるということを認識する必要がある他、課税客体の全てについて毎年賦課期日現在の現況を把握するということにも自ずと限界があるということになる。
過去の判例をみても、小さな点にミスがあっても全体として著しく合理性を欠かなければ適法と判断しているようであり、そうだとすれば、粗削りの公平が確保されていれば良いということになる。
これらの点を踏まえ、納税者の視点・徴税コスト・課税事務量の軽減等の観点から固定資産評価のあり方・仕組みについて検討してみたい。
担保執行法制の改正については既に周知のことと思われるが、ここであらためて改正に至る経緯とその後の状況並びに今固定資産評価の問題は、つまるところ市町村の説明責任に尽きると思われる。
しかし、前述したように土地評価当たっては複雑多岐にわたる行政法の問題の他、評価要因の選定やデータの精度管理等、一担当者の能力の限界を超える問題も少なくない。
このような中で、各市町村が評価そのものを外部に委託する方向に行くのは仕方ないとしても、基本的な部分、つまり道路の管理、土地図面の整理、都市計画法・建築基準法等のルールの明確化・開示等の、評価の基本となる基礎的インフラ整備がなされないことには、何時までたってもミスはなくならない。
評価に完全を求めれば究極的には1筆実測・1筆鑑定となり、コスト的には破綻するほかはない。
したがって、評価精度の向上にも限界があるということを認識する必要がある他、課税客体の全てについて毎年賦課期日現在の現況を把握するということにも自ずと限界があるということになる。
過去の判例をみても、小さな点にミスがあっても全体として著しく合理性を欠かなければ適法と判断しているようであり、そうだとすれば、粗削りの公平が確保されていれば良いということになる。
これらの点を踏まえ、納税者の視点・徴税コスト・課税事務量の軽減等の観点から固定資産評価のあり方・仕組みについて検討してみたい。