究極の内需拡大策を考える ~ Vol.2
2025.05.29
VOL.02 内需は何故拡大しないのか2

2)資本主義経済の成熟化とその終焉

 以上にみたとおり、内需は拡大しないのではなく、生まれた時からモノに満ち溢れた生活を送っている現代においては欲しいモノがないというのが実情ではなかろうか。

 個人的にみても、今どうしても欲しいというモノはなかなか思い浮かばない。

 消費経済は成熟化してしまい、今後消費が大きく伸びることは期待できない。

 我々は成長の呪縛から逃れられず、未だに大量生産・大量消費を夢見ているが、大量生産を維持する為には今まで以上により早く!!より大量に!!モノを捨てなければならない。

 しかし、地球環境の問題を考えればこれらの大量の産業廃棄物を受け入れる余地は極めて少なく、環境負荷の面からも大量生産・大量消費は受け入れ難くなりつつある。

 その一方で、我が国の人口構造は急速に高齢化しており、少子化と相まって、消費人口が将来共持続的に拡大する方向にはない。

 したがって、需要面でも環境面においても、これ以上の大量生産・大量消費は困難と思われ、単純にモノさえ売れれば良いというようなこれまでの延長線上にあるような内需拡大は、これ以上は無理というべきである。
2025.05.29 09:29 | 固定リンク | 鑑定雑感

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