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2021.04.07

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建物評価と市場価値 ~ 積算価格は赤札セールの目安? Vol.3
2021.04.01
VOL.03 積算価格と市場価格
最近特に思うのであるが、積算価格とは一体何であるのか解らなくなるのである。
道北のある町の建物及びその敷地が、昨年の10月に売買された。
この土地は幹線に面する約500㎡の長方形の角地で、この上にRC造の築約40年の診療所兼居宅約500㎡がある。
建物は良く手入れされており、空家期間も2年弱と、利用上の問題はないとのことであった。
この建物の固定資産税評価額は約1,300万円、土地は約600万円で、固定資産評価額の合計は約1,900万円である。
この土地・建物は2年程前から400万円で売りに出されていたが、昨年春に 200万円に値下げした。
それでも売れないため、秋に100万円に値下げしてやっと売却できたということであった。
積算価格的にいえば、多分1,000万円は下らないと思うが、需要が全くないので捨て値になったようである。
ここで読者は多分、更地処分すべきと考えるのであろうが、残念ながら取り壊し費用は限りなく土地代に近く、そういう意味では100万円という価格も説得力がある。
しかし十分に使える建物を前に、いくら需要がないといっても取り壊し最有効使用とはなかなか言えない。
地価水準が低い地域にあるRC造の特殊で汎用性のない建物は、経済的残存耐用年数が残っていても需要はほとんどなく、また取り壊しても土地代を上回り、取り壊し費用の回収もできないので、売買は成立せず、未利用のまま長期間放置され、廃屋と化す。
固定資産税評価額1,300万円の建物を、時価ゼロとする市場の実態を考えると、積算価格は決算セールの赤札前の価格としての意味合いしかないことになる。
果たしてそれでいいのか、積算価格と市場の実情との折り合いをどうつけるのか。
それとも積算価格以外の他の評価方法を考えるべきなのか、悩みは尽きない。
最近特に思うのであるが、積算価格とは一体何であるのか解らなくなるのである。
道北のある町の建物及びその敷地が、昨年の10月に売買された。
この土地は幹線に面する約500㎡の長方形の角地で、この上にRC造の築約40年の診療所兼居宅約500㎡がある。
建物は良く手入れされており、空家期間も2年弱と、利用上の問題はないとのことであった。
この建物の固定資産税評価額は約1,300万円、土地は約600万円で、固定資産評価額の合計は約1,900万円である。
この土地・建物は2年程前から400万円で売りに出されていたが、昨年春に 200万円に値下げした。
それでも売れないため、秋に100万円に値下げしてやっと売却できたということであった。
積算価格的にいえば、多分1,000万円は下らないと思うが、需要が全くないので捨て値になったようである。
ここで読者は多分、更地処分すべきと考えるのであろうが、残念ながら取り壊し費用は限りなく土地代に近く、そういう意味では100万円という価格も説得力がある。
しかし十分に使える建物を前に、いくら需要がないといっても取り壊し最有効使用とはなかなか言えない。
地価水準が低い地域にあるRC造の特殊で汎用性のない建物は、経済的残存耐用年数が残っていても需要はほとんどなく、また取り壊しても土地代を上回り、取り壊し費用の回収もできないので、売買は成立せず、未利用のまま長期間放置され、廃屋と化す。
固定資産税評価額1,300万円の建物を、時価ゼロとする市場の実態を考えると、積算価格は決算セールの赤札前の価格としての意味合いしかないことになる。
果たしてそれでいいのか、積算価格と市場の実情との折り合いをどうつけるのか。
それとも積算価格以外の他の評価方法を考えるべきなのか、悩みは尽きない。
(2010年2月 Evaluation no.36掲載/「建物評価と市場価値 ― 積算価格は赤札セールの目安?」)
建物評価と市場価値 ~ 積算価格は赤札セールの目安? Vol.2
2021.03.25
VOL.02 中古建物の評価とその問題
以上の問題はさておくこととして、現実に評価せざるを得ない中古建物の評価について考える。
中古建物は、新築建物の想定とは異なり、問題となるのは再調達原価の把握と経済的耐用年数の判定である。
設計図や仕様書があれば、建築士の意見を聞いたり、建築時の取得原価を調べたりしてある程度把握が可能である。
これらの資料がなければ外観判定に頼る他はない。
しかし壁の中は見えないし、設備の中も壁の外に出ているもの以外は見ることはできない。
結局類似建物との比較による他はない。
尚、大手ゼネコンでも営業段階における建築費の把握は、類似建物比準とのことである。
それでも実際建築費との誤差は10%~20%程度とのことであった。
経済的耐用年数については、割り切って機械的に判定している。
しかし現実の建物は維持・管理の状態によっては極端に異なり、法的耐用年数に満たないうちにガタガタになっている建物も見られる。
このような建物でも、経済的耐用年数はそれ以外の建物と一緒で、状態が悪いのは観察減価で対応すべきなのか、それともそもそも経済的耐用年数が短いと考えるべきなのか、悩みは尽きない。
設備、特に給排水設備については、長期間空家(2~3年)にしておくと経済的耐用年数の期間内であっても全面更新が必要となることがあるが、外観調査だけではなかなか判別できない。
中古建物には中古建物独自の問題があり、経験を積まないと割り切りに悩むが、いくら経験を積んでも自信は持てそうにもない。
以上の問題はさておくこととして、現実に評価せざるを得ない中古建物の評価について考える。
中古建物は、新築建物の想定とは異なり、問題となるのは再調達原価の把握と経済的耐用年数の判定である。
設計図や仕様書があれば、建築士の意見を聞いたり、建築時の取得原価を調べたりしてある程度把握が可能である。
これらの資料がなければ外観判定に頼る他はない。
しかし壁の中は見えないし、設備の中も壁の外に出ているもの以外は見ることはできない。
結局類似建物との比較による他はない。
尚、大手ゼネコンでも営業段階における建築費の把握は、類似建物比準とのことである。
それでも実際建築費との誤差は10%~20%程度とのことであった。
経済的耐用年数については、割り切って機械的に判定している。
しかし現実の建物は維持・管理の状態によっては極端に異なり、法的耐用年数に満たないうちにガタガタになっている建物も見られる。
このような建物でも、経済的耐用年数はそれ以外の建物と一緒で、状態が悪いのは観察減価で対応すべきなのか、それともそもそも経済的耐用年数が短いと考えるべきなのか、悩みは尽きない。
設備、特に給排水設備については、長期間空家(2~3年)にしておくと経済的耐用年数の期間内であっても全面更新が必要となることがあるが、外観調査だけではなかなか判別できない。
中古建物には中古建物独自の問題があり、経験を積まないと割り切りに悩むが、いくら経験を積んでも自信は持てそうにもない。