不動産のグローバル化と道内の取引事情 ~ Vol.4
2024.02.22
VOL.04 富良野地区の状況について

 個人的には、10年以上前から次のリゾート地区としては富良野の北の峰地区が狙い目だと思っていたが、既にニセコ地区と同等になりつつある。

 北の峰の寿8唄口は地元取引では坪10万円~15万円位と思われるが、外資は坪40万円~50万円で買っているらしい。

 尚、ホテル型分譲マンションの事例は前記のとおりである。
 北の峰地区の問題は、地元ニーズに合わせた郊外住宅地として発展してきたことから、宅地規模はせいぜい70坪前後である。

 世界の富裕層の感覚からすればマッチ箱であり、満足させることはできない。

 では誰が買うのかといえば、中国系ではなく、タイ・マレーシア・ベトナムの富裕層、つまり、大富豪程ではないが、そこそこの富裕層が需要の中心になるものと思われる。

 しかし、供給量は極めて限られているため、ニセコのようになるには相当の時間がかかるのではないかと思っている。

 また、富良野市は非線引きの都市計画区域ではあるが、都市計画により開発規制がかけられているため、規制前のニセコ地区のように開発されることはないと思われる。

 一方、東南アジアの経済発展は著しいので、豊かになったこれらの国々の人々は、時差もなく、四季のハッキリした北海道に憧れるものと考えられ、実際そういう傾向が見られることから、富良野エリアの潜在的需要は、相当あるものと思われる。

 しかし、北の峰地区の供給は限られている。

 したがって、これらの需要に応えられるのは、個人的には開発規制の少ない中富良野町と考えている。

 事実、中富良野地区の開発計画を相談されたが、やはり開発規制の少ないエリアが狙われるのは仕方のないことだと思ったものである。

 いずれにしても、外国資本の動きに目を離すことはできないが、行政対応が難しいのも事実である。

 気がついたら手遅れとならないことを願っている。
2024.02.22 13:13 | 固定リンク | 鑑定雑感

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