パラサイト北海道「人口減少と地価下落」 ~ Vol.1
2023.02.02
VOL.01 恐怖の連鎖
人口減少の主な原因は、少子高齢化の他、小泉改革による影響が大きいものと考える。
小泉改革の与える影響について検討してみる。
1.行財政改革のうち地方経済に影響を与える政策を例示すると次のものが考えられる。
イ.出先機関の全廃
ロ.公共事業の大幅な削減
このうち、出先機関の全廃は、直接的に人口減少をもたらす。
郵政改革にしても、既に社宅・宿舎・保養施設のバルクセールという形で動いている。
公共事業については将来的に3分の1に減少させるとしていることから、公共事業の依存度の高い北海道の土木・建設関連の産業は、単純にいえば3分の1に減少することになる。
2.規制改革では次のものが考えられる。
イ.大型店の出店緩和
ロ.行政事務の民営化
前者については、郊外への大型店の進出による中心商業地の空洞化から出店規制は強化される方向にあるが、大型店との競合から小売店舗数は平成3年の63,386から平成16年の48,862へと実に23%も減少している。
他方、小売業も農業と同様に高齢化・後継者難に悩んでおり、今後離農ならず離商は一層進むものと予測される。
行政事務の民営化は、市町村役場の職員減少を促す他、行政事務を受託した会社も効率化から一極集中的な処理体制をとるものと思われ、職員も仕事も地方市町村からなくなってしまうことになる。
その結果、地元の中学校・高校を卒業しても仕事がないため、子供達の大半は都市部に出ざるを得なくなる。
現在でも地元に企業に就職できるのは卒業生の10%にも満たないといわれているが、その傾向は尚一層強くなるものと思われる。
3.市場開放
市場開放の政策の影響は既に農林業において顕著に表れている。
安い農産物や木材資源の輸入攻勢で離農は一気に進んだ。
また、木材関連でも道産材の市場価値は低迷し、林地の価格も既に半値以下となっている。
道内の木材関連産業も打撃を受け相当数の木工場が廃業となった。
この結果、地方市町村の人口は減少に減少を続け、一極集中と多極過疎の同時進行が現在も続いている。
そしてこの傾向は2030年に向って更に深刻化するものと思われる。
人口減少は市町村にとって更なる大きな問題を呼び込むことになる。
人口減少は、不動産の需給動向を悪化させ、地価下落をもたらすばかりではない。
地価下落は、地方財政の基幹税目である固定資産税収入に影響を与える。
固定資産税は、土地価格を基本(公示価格等の7割とされている)としているため、地価下落は税収の減少に直結する。
また、住民税も減少するが、更に大きいのが人口に比例して配分される地方交付税の減少である。
道内市町村の大半は良くて3割自治といわれ財源の大半を地方交付税に依存している。
人口減少は地方市町村の死活問題である。
国が平成の大合併を強行するのは、これらの事情によるものである。
北海道は全国最低の合併比率であるが、今後は国の優遇策もないので、道内市町村はより困難な局面に立たされ、結局は国の方針に従わざるを得なくなるであろうと思われる。
いずれにしても、国の政策により大半の市町村の人口は更に減少を続け、その結果行政サービスの大幅な低下をもたらすことになる。
仮に現在の行政サービスを維持するとすれば、財源不足から地方税も大増税をしなければならなくなるからである。
行政サービスの低下は住民の帰属意識を低下させ、結果的にマチを離れさせることになる。
行財政改革・規制緩和・市場開放を進めれば進める程、地域経済はダメージを受け、人口減少そのものが行政サービスの低下・財源難による地方の公共料金の値上、就業機会の喪失、商業・医療サービスの低下等の複合的なダメージを引き起し、その結果不動産の需給ギャップはますます拡大し、地価はとめどもなく下落を続け、そのことが更に過疎を促すというように、人口減少の連鎖が地価下落の連鎖を生むことになる。
国鉄の廃止によってかつての駅前商店街は駅前シャッター街に、郊外大型店の進出による中心商業地の空洞化により、かつての名店街は閉店街になっているところは数多い。
農地にしても、ピーク時(83年前後)の約4分の1の価格水準にまで落ち込んでいる。
買い手・借り手のいない農地は耕作放棄され、毎年増加の一途をたどっている。
耕作放棄された農地は荒地と化し、やがては山林原野に帰すであろう。
住宅地・商業地・工業地もこれまでに述べた事情から、やがては農地と同じ運命をたどりゴーストタウンがあちらこちらに出現することになるであろう。
人口減少の主な原因は、少子高齢化の他、小泉改革による影響が大きいものと考える。
小泉改革の与える影響について検討してみる。
1.行財政改革のうち地方経済に影響を与える政策を例示すると次のものが考えられる。
イ.出先機関の全廃
ロ.公共事業の大幅な削減
このうち、出先機関の全廃は、直接的に人口減少をもたらす。
郵政改革にしても、既に社宅・宿舎・保養施設のバルクセールという形で動いている。
公共事業については将来的に3分の1に減少させるとしていることから、公共事業の依存度の高い北海道の土木・建設関連の産業は、単純にいえば3分の1に減少することになる。
2.規制改革では次のものが考えられる。
イ.大型店の出店緩和
ロ.行政事務の民営化
前者については、郊外への大型店の進出による中心商業地の空洞化から出店規制は強化される方向にあるが、大型店との競合から小売店舗数は平成3年の63,386から平成16年の48,862へと実に23%も減少している。
他方、小売業も農業と同様に高齢化・後継者難に悩んでおり、今後離農ならず離商は一層進むものと予測される。
行政事務の民営化は、市町村役場の職員減少を促す他、行政事務を受託した会社も効率化から一極集中的な処理体制をとるものと思われ、職員も仕事も地方市町村からなくなってしまうことになる。
その結果、地元の中学校・高校を卒業しても仕事がないため、子供達の大半は都市部に出ざるを得なくなる。
現在でも地元に企業に就職できるのは卒業生の10%にも満たないといわれているが、その傾向は尚一層強くなるものと思われる。
3.市場開放
市場開放の政策の影響は既に農林業において顕著に表れている。
安い農産物や木材資源の輸入攻勢で離農は一気に進んだ。
また、木材関連でも道産材の市場価値は低迷し、林地の価格も既に半値以下となっている。
道内の木材関連産業も打撃を受け相当数の木工場が廃業となった。
この結果、地方市町村の人口は減少に減少を続け、一極集中と多極過疎の同時進行が現在も続いている。
そしてこの傾向は2030年に向って更に深刻化するものと思われる。
人口減少は市町村にとって更なる大きな問題を呼び込むことになる。
人口減少は、不動産の需給動向を悪化させ、地価下落をもたらすばかりではない。
地価下落は、地方財政の基幹税目である固定資産税収入に影響を与える。
固定資産税は、土地価格を基本(公示価格等の7割とされている)としているため、地価下落は税収の減少に直結する。
また、住民税も減少するが、更に大きいのが人口に比例して配分される地方交付税の減少である。
道内市町村の大半は良くて3割自治といわれ財源の大半を地方交付税に依存している。
人口減少は地方市町村の死活問題である。
国が平成の大合併を強行するのは、これらの事情によるものである。
北海道は全国最低の合併比率であるが、今後は国の優遇策もないので、道内市町村はより困難な局面に立たされ、結局は国の方針に従わざるを得なくなるであろうと思われる。
いずれにしても、国の政策により大半の市町村の人口は更に減少を続け、その結果行政サービスの大幅な低下をもたらすことになる。
仮に現在の行政サービスを維持するとすれば、財源不足から地方税も大増税をしなければならなくなるからである。
行政サービスの低下は住民の帰属意識を低下させ、結果的にマチを離れさせることになる。
行財政改革・規制緩和・市場開放を進めれば進める程、地域経済はダメージを受け、人口減少そのものが行政サービスの低下・財源難による地方の公共料金の値上、就業機会の喪失、商業・医療サービスの低下等の複合的なダメージを引き起し、その結果不動産の需給ギャップはますます拡大し、地価はとめどもなく下落を続け、そのことが更に過疎を促すというように、人口減少の連鎖が地価下落の連鎖を生むことになる。
国鉄の廃止によってかつての駅前商店街は駅前シャッター街に、郊外大型店の進出による中心商業地の空洞化により、かつての名店街は閉店街になっているところは数多い。
農地にしても、ピーク時(83年前後)の約4分の1の価格水準にまで落ち込んでいる。
買い手・借り手のいない農地は耕作放棄され、毎年増加の一途をたどっている。
耕作放棄された農地は荒地と化し、やがては山林原野に帰すであろう。
住宅地・商業地・工業地もこれまでに述べた事情から、やがては農地と同じ運命をたどりゴーストタウンがあちらこちらに出現することになるであろう。