コモディティ化する鑑定業務と特化型AIに駆逐される公的評価 ~ Vol.1
2023.11.22
VOL.01 コモディティ化とは

ウィキペディアによれば、コモディティ化とは、マルクス経済の用語で、所定のカテゴリの中の商品において、製造会社や販売会社ごとの機能・品質などの属性と無関係に経済価値を同質化することをいうとしている。

 これだけでは抽象的過ぎて良くその意味を理解できないが、これを現代風に解釈すると、競合する商品やサービス同士の機能性・品質・ブランド力等の差別化特性が失われ、その結果、価格や買いやすさだけを理由に商品の選択が行なわれることと言えば理解できるのではないであろうか。

市場競争が激しくなった結果として、機能性や品質・デザイン・サービスの質等で大差のない商品・サービスが多く流通するようになると、消費者にとってはどこの会社の商品・サービスであろうが同じ状態となるため、価格だけが選択の基準となってしまうのである。

 つまり、消費者にとっては商品やサービスの選択の絶対的基準が価格のみとなるため、商品やサービスを供給する側、つまり生産者・販売者等は、商品価格を下げざるを得ない状況に追い込まれることになる。

その結果として同様の商品やサービス同士の間で価格競争が激化し、利益どころか原価割れさえも起すことになる。

市場はいわば共食い状態になり、体力のない生産者・販売者・サービス業務の提供者は、市場から淘汰されることになる。
2023.11.22 11:45 | 固定リンク | 鑑定雑感

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