パラサイト北海道「アジアの中の北海道」 ~ Vol.11
2023.05.11
VOL.11 自立への道、パラサイトへの決別

 以上みたように、アジアの中の北海道は発展の可能性に満ち満ちている。

 東京をみても、そこにあるのは無い袖は振れないというつれなさだけである。

 可能性のない国内マーケットに足をとられるのではなく、拡大・発展を続けるアジアマーケットの中における北海道の位置づけを徹底的に検討することである。

 アジアの人々は北海道に憧れを抱いているが、北海道はあいも変わらず東京ばかりを見ている。

 くどいようだが、日本国の財政状況をみると、地方にこれ以上の仕送りはできないであろう。

 とすれば、親元を離れ自活の道を歩まなければならないことになる。

 明治以来約140年もの間パラサイト生活を続けてきた北海道も、親元を離れる決意が必要である。

 十分過ぎる程の高度の公共インフラと、類稀な自然・農産物・水産資源があるのである。

 公共事業がなければ食べていけないなどと言ったら、発展途上国の人々に笑われるだけである。

 あり余るおもちゃを持っていながら、デパートのおもちゃ売り場でダダをこねる子供と同じである。

 一体どれ程のおもちゃを買い与えれば満足するのか。

 中央政府は中央集権に固執する余り、地方の育て方を間違ったのではないか。


 いずれにしても、北海道は主要先進国に互して勝負できるだけの条件を備えているのである。

 足りないのは公共インフラではなく、与えられた十分な条件を生かすチエである。

 親に甘えているうちは、自立はできない。

 今こそ足元を見つめ、アジアの中の北海道として自立への道を考える時である。

 恵まれた自然環境、世界に誇れる農水産物、これを生かすことによって自立への道は拓かれ、明治以来のパラサイト生活に決別できると確信する。

(2001年・2002年  グローバルヴィジョン/「パラサイト北海道」)

(2019年4・5・6月 北方ジャーナル掲載/「パラサイト北海道」)

2023.05.11 09:41 | 固定リンク | 鑑定雑感

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