日本人の問題対処の問題 ― 問われる日本人の品格 ― ~ Vol.3
2023.10.26
VOL.03 問題対処のステージI ― 先送り・スリ替え ―
 この国では、事故や問題等が起きると、まず責任を逃れるために、問題を先送りする。

 問題が大きければ小さく見せかけ、それもできなければ実体を表す言葉を避けて言い換え・スリ替えを行なって、何が本質的な問題であるかを分からなくしようとする。

 戦前の例では、撤退を転進と言い換え、敗戦を終戦と言い換え、責任があるのか無いのか分からなくしてしまう天才的な言語能力を発揮している。

 戦後は、まさかそのような事はないであろうと思っていたら、福島原発で事故の本質を紛らす言い換えが横行した。
 事故であるのに事象と言い換えて責任逃れの説明をしていることに、ほとほと呆れてしまったのである。

 結局、日本人は敗戦から何も学ばなかったと思わざるを得ない。

 実際、学校で教育もされていないのであるから、無理からぬことかもしれない。

 卑怯者の見本のような政治家や大企業の経営者が大きな顔をしている現状では、一般国民が卑怯者となるのもむべなるかなと思わざるを得ない。

 福島原発の記者会見でも、メルトダウンしていると本当のことを言った担当者は飛ばされ、プライバシーまで暴露され、社会的に抹殺されてしまった。
 これに荷担した原子力専門家は、自分の無責任発言を追求されることもなく、平常の生活に戻っていった。 国民は真実を知らされることもなく、名も無き弱者は置き去りにされて、マスコミもたまに思い出しては記事にするが、本質的な問題の追及はしない。

 それにしても、福島からの転校生をバイ菌呼ばわりする等、学校教育の現場も地に落ちたようである。
 日本人の本質的なイヤらしさは、なかなか無くならないようである。
2023.10.26 16:55 | 固定リンク | 鑑定雑感

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