パラサイト北海道「アジアの中の北海道」 ~ Vol.5
2023.03.23
VOL.05 豊かになった人間の消費行動は世界共通

 日本が豊かさを感じるようになったのは、高度経済成長の昭和40年代以降であろう。

 戦後しばらくの間は、水道も十分ではなく、停電や給水停止も珍しくはなかった。

 皇太子のご成婚を機に白黒TVが一気に普及し、洗濯機・冷蔵庫・クーラー等ともに三種の神器といわれ、サラリーマンの憧れの的であった。

 その後に訪れたのがマイカーブームである。

 また、農協観光に代表される団体旅行が一世を風靡したのは、つい30年ほど前である。

 団体旅行は国内旅行から海外旅行に移り、世界のマーケットは日本人旅行客に熱い視線を送った。

 現在は団体旅行から個人旅行へ、神風ツアーから余裕のある旅行へと移り、確実に豊かになったことを実感させている。

 経済成長と共に所得が増大し、消費が拡大してきたのは、何も日本の専売特許ではない。

 昨今の東京に行くと、なんとアジア系の旅行客の多いことか。

 10年位前まではあまり目立たなかったが、昨今はシティホテルに泊まると大半がアジア系の旅行客であったりする。

 東京にいるのに海外にいるのかと錯覚させるほどである。

 豊かになった人間の消費行動は、万国共通である。

 冷蔵庫・TV・クーラー・洗濯機・オーディオ機器・マイカー・持家の次にくるのは、ファッションの高度化、オシャレ関係(化粧品等)、食物の高級化、旅行等である。

 事実、アジアの人々もこれまで以上にうまいものを食べ、旅行をし、レジャー等にいそしんでいる。

 アジアの人々は、かつて日本人が1億総中流を感じたように、中流意識を持つ人々が増えるだろう。

 旅行は非日常を体感する場であるから、海外旅行は今後ますます増加するであろう。

 その中でも、スーパーリッチの余暇の使い方は、日本人の想像の外である。

 日本人の現役世代が海外で1ヶ月も過ごすことは想像できないが、アジアのスーパーリッチはヨーロッパやアメリカのスーパーリッチと同じように、長期のヴァカンスを楽しんでいる。

 北海道赤井川村にあるヤマハリゾートキロロにも、サムソンの会長が多勢のお供を連れて長期間滞在しているということをヤマハの関係者から聞いたばかりである。

 アジアの中の日本、とりわけ北海道は、アメリカやヨーロッパと異なった文化や、アジアにない自然環境もあって、アジアの人々にとっては魅力的であるようである。
2023.03.23 10:00 | 固定リンク | 鑑定雑感

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