パラサイト北海道「アジアの中の北海道」 ~ Vol.1
2023.02.22
VOL.01 自立への道

 これまで述べてきたように、統計データだけを眺めていると、そこから見えてくるのはつらくて暗い困難な道だけである。

 国も地方も、なんとかなると思って拡大均衡政策を続けてきたが、その結果国・地方合せて1000兆円にもなるという借金が残っただけである。

 少子高齢化が本格化する中で、一体どのようにしたら借金を返せるというのだろうか。

 道州制議論は終盤をむかえているが、北海道知事は北海道特例の廃止は納得できないとして、道州制には全面的には納得していない。

 個人的な見解ではあるが、北海道特例があっても無くても、最早なんの意味もないと思っている。

 つまり、北海道特例の中心は公共事業の補助率のカサ上げと思われるが、ある町では地元負担の100万円さえ用意できなくて補助事業を返上しているのである。

 補助事業を100%消化できる体力がある市町村は、一体どの位あるというのであろうか。

 一極集中、多極過疎が進行する中で、補助率をカサ上げしてもらったからといってどれ程の事業が実施できるかは疑問である。

 いくら補助してもらっても、100%補助ではないのである。

 地元負担分は、借金として積増しされ、財政硬直化はなお一層深刻化するだけである。

 人口半減時代をむかえようとしているのに、これ以上のインフラが本当に必要なのであろうか。

 都会の住民からみれば、10LDKの家で一人暮らしをしながら、仕事がないので増築してくれと言っているようなものである。

 増築した後の部屋の使い道はなく、維持管理に要する費用の補助もないのである。
2023.02.22 09:05 | 固定リンク | 鑑定雑感

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