鑑定雑感 不動産鑑定士 堀川裕巳 コラム
 
◆ 不動産調査と役所の壁 ◆ ー 法治国家日本の不思議 ー
 
VOL.01 不動産調査について VOL.02 法務局における調査〜今は昔 VOL.03 地図混乱地域と調査
     
VOL.04 役所調査と不動産鑑定士の調査権 VOL.05 法治国家日本の不思議  
 

◆ 不動産調査と役所の壁 ◆
ー法治国家日本の不思議ー

 

VOL.01 不動産調査について

 鑑定評価に当たっては、対象物件の確認・確定が大前提となる。

 ところで、都市部における大型物件の評価依頼については、通常、依頼者の方で対象物件の確認・確定に必要な資料を用意してくれることが多い。よほどのことがない限り、不動産鑑定士の方で自力で全ての調査することはない。与えられた資料を見て、ハッキリしない点については、場合によっては評価条件を付して評価することが多いので、確認・確定はある意味で気が楽である。この場合、基本的には鑑定評価書という名の書類の作成業務に近いものとなり、物件調査のミスはほとんど問題にならない(依頼者が問題にしない)。

 しかし、依頼者が一般市民である場合、当然には確定・確認に必要な資料は出てこない。特に、競売評価の場合は、所有者・債務者が気持ち良く調査に協力してくれることは少ない。また、中にはどうしても家を手放したくないという理由から、とにかく非協力を貫く人もいる。となると、評価人たる不動産鑑定士は、これまでの知識・経験をフル稼働させて、確定・確認に必要な資料を収集しなければならないことになる。そういう意味では、一般鑑定と競売評価では、調査に対するスタンスや責任の度合いは大きく異なることになる。

 前置きが長くなったが、不動産調査に当たっては、役所調査は欠かせない。

 
  VOL.02 法務局における調査〜今は昔
 
◆過去のコラム記事はこちら
 
◆ ヒラメと徒弟制度と実務収集 ◆
 
VOL.01 減点主義の功罪 VOL.02 法令遵守とマニュアル VOL.03 ヒラメと法令遵守
     
VOL.04 実務修習と徒弟制度  
 
◆ ホモ・エコノミクスとゴルゴ13 ◆
 
VOL.01 鑑定理論と不動産取引の現場 VOL.02 現実社会と標準的経済学の世界 VOL.03 経済は感情で動く
     
VOL.04 ヒューリスティクスによるバイアス VOL.05 ホモ・エコノミクスとゴルゴ13  
 
◆ 組織は最大犠牲点に向かう ◆ ー 本当は恐い日本人 ー
 
VOL.01 東日本大震災と日本人の行動 VOL.02 村八分という村の掟 VOL.03 日本における村社会
     
VOL.04 本当は恐い日本人 VOL.05 組織は最大犠牲点へ向かう  
 
◆ 節約は美徳か悪徳か? ◆ ー 蜂の萬話と相互律が示唆するもの ー
 
VOL.01 絶対的なるもの VOL.02 相互律について思うこと VOL.03 節約は美徳か悪徳か
 
VOL.04 蜂の萬話ー私悪すなわち公益 VOL.05 蜂の萬話ー私悪すなわち公益2  
 
◆ 七面鳥と不動産鑑定士 ◆ ー ガリレオとブラックスワンの世界 −
 
VOL.01 鑑定評価の科学性 VOL.02 合理性と数学 VOL.03 ブラックスワンの世界
 
VOL.04 予測可能と予測するのは可能か VOL.05 千と一日目の七面鳥