担保執行法制の改正と競売の今後の動向 ~ Vol.7
2025.01.30
VOL.07 我が国特有の競売事情
日本とアメリカでは不動産のあり方が決定的に異なっているため、民間競売になじまない面がある。
つまり、日本では土地・建物は別個の不動産として取り扱われているため、抵当権設定のあり様は多様であり、抵当権者相互の調整(売却代金の配分等)が複雑となっている。
一例を挙げると次のとおりである。
●土地・建物が同一所有者でもそれぞれの第1順位の抵当権者が異なっている。
●土地・建物が別々の所有者で、抵当権者が異なっている。
●土地・建物は同一所有者であるが、土地にしか抵当権が設定されていない。
●更地に抵当権が設定された後に建物が築造された。等
これらの例をみるとおり、土地・建物を別個の不動産として取扱っているため、売却できたとしても売却代金を各抵当権者にどのように配分するかを決めるのは容易ではない。
この問題を解決するために現在の競売評価では一括売却を前提としつつも、売却代金の割り振りのために、土地・建物を別々に評価し、この評価額を基礎に配当計算を行なっている。
司法競売による評価は、売却額そのもの他、配当の指標等としてその重要性は高い。
前記の例のような物件を評価をしないで売却すれば、事実上配当計算はできない。
アメリカで民間競売が広く行なわれているのは、土地建物が一体で一個の不動産として取扱われているため、抵当権設定のあり様は単純で配当計算も単純であるからと思われる。
日本とアメリカでは不動産のあり方が決定的に異なっているため、民間競売になじまない面がある。
つまり、日本では土地・建物は別個の不動産として取り扱われているため、抵当権設定のあり様は多様であり、抵当権者相互の調整(売却代金の配分等)が複雑となっている。
一例を挙げると次のとおりである。
●土地・建物が同一所有者でもそれぞれの第1順位の抵当権者が異なっている。
●土地・建物が別々の所有者で、抵当権者が異なっている。
●土地・建物は同一所有者であるが、土地にしか抵当権が設定されていない。
●更地に抵当権が設定された後に建物が築造された。等
これらの例をみるとおり、土地・建物を別個の不動産として取扱っているため、売却できたとしても売却代金を各抵当権者にどのように配分するかを決めるのは容易ではない。
この問題を解決するために現在の競売評価では一括売却を前提としつつも、売却代金の割り振りのために、土地・建物を別々に評価し、この評価額を基礎に配当計算を行なっている。
司法競売による評価は、売却額そのもの他、配当の指標等としてその重要性は高い。
前記の例のような物件を評価をしないで売却すれば、事実上配当計算はできない。
アメリカで民間競売が広く行なわれているのは、土地建物が一体で一個の不動産として取扱われているため、抵当権設定のあり様は単純で配当計算も単純であるからと思われる。