鑑定業界を取り巻く現状と課題 ~ Vol.4
2024.10.17
VOL.04 証券化不動産と鑑定評価
証券化不動産の鑑定評価基準が新設され、ガイドラインが示されたのは、協会の努力の賜と考える。
だからといって、手放しで喜んでばかりはいられない。
何故なら証券化不動産の鑑定評価は、指値鑑定や迎合鑑定が横行しているからである。
鑑定報酬が極めて高額の為、発注者の意向に抵抗すれば、業務の発注は見込めない。
昨今は、指値鑑定が更に巧妙になり、数者に鑑定見込額を内示させ、一番高い評価額を提示した業者に鑑定を依頼している。
評価基準の精神は気高いが、実際やっていることは乞食かそれ以下である。
乞食は乞食であることを自覚しているからまだ救いがあるが、鑑定士は自覚がないので始末が悪い。
もっとも、発注者からお金をもらいながら、発注者の意向を忖度しないということでは、仕事は出来ない。
たとえて言うなら、審判がピッチャーから給料をもらいながら適正な審判を下すということに他ならないが、果たしてそのようなことが可能であろうか。
給料を貰っているピッチャーのことを考えれば、ストライクゾーンが甘くなるのはやむを得ないことであり、非難もできない。
審判に公正・客観・中立を求めるのなら、ピッチャーから給料を貰わなくても良いシステムを作るしかないのである。
いくら基準を作ったところで、ファンド会社がその内容を見ることはしないし、また倒産しない限り問題は表面化することもないので、評価の適正性は二の次となる。
また、抵当証券と異なり、ファンドやリートの組成物件が極めて多く、巨額になれば個々の不動産の評価の適正性の問題は表面化しにくいと考えられる。
とすれば、将来ともファンド物件の高値評価を競うことは避けられず、その反面報酬は安さを競い、その結果倫理は麻痺し、過当競争の渦の中で中小業者は自滅の道を歩むしかなくなるのではないかと思われる。
証券化不動産の鑑定評価基準が新設され、ガイドラインが示されたのは、協会の努力の賜と考える。
だからといって、手放しで喜んでばかりはいられない。
何故なら証券化不動産の鑑定評価は、指値鑑定や迎合鑑定が横行しているからである。
鑑定報酬が極めて高額の為、発注者の意向に抵抗すれば、業務の発注は見込めない。
昨今は、指値鑑定が更に巧妙になり、数者に鑑定見込額を内示させ、一番高い評価額を提示した業者に鑑定を依頼している。
評価基準の精神は気高いが、実際やっていることは乞食かそれ以下である。
乞食は乞食であることを自覚しているからまだ救いがあるが、鑑定士は自覚がないので始末が悪い。
もっとも、発注者からお金をもらいながら、発注者の意向を忖度しないということでは、仕事は出来ない。
たとえて言うなら、審判がピッチャーから給料をもらいながら適正な審判を下すということに他ならないが、果たしてそのようなことが可能であろうか。
給料を貰っているピッチャーのことを考えれば、ストライクゾーンが甘くなるのはやむを得ないことであり、非難もできない。
審判に公正・客観・中立を求めるのなら、ピッチャーから給料を貰わなくても良いシステムを作るしかないのである。
いくら基準を作ったところで、ファンド会社がその内容を見ることはしないし、また倒産しない限り問題は表面化することもないので、評価の適正性は二の次となる。
また、抵当証券と異なり、ファンドやリートの組成物件が極めて多く、巨額になれば個々の不動産の評価の適正性の問題は表面化しにくいと考えられる。
とすれば、将来ともファンド物件の高値評価を競うことは避けられず、その反面報酬は安さを競い、その結果倫理は麻痺し、過当競争の渦の中で中小業者は自滅の道を歩むしかなくなるのではないかと思われる。