不動産鑑定士と神の見えざる手 ― 市場は因果律で動く? ― Vol.2
2021.09.09
VOL.02 完全市場と市場の失敗
狭義の市場であれ、広義の市場であれ、その市場が完全であるとはいえない。
いやむしろ現実の市場は不完全であるのが常態である。
完全市場とは、一般的に次の条件が満たされている市場をいうとされている。
第一に、市場に参加する者は小規模かつ多数であること。
第二に、提供されるサービスや財が同質であること。
第三に、財やサービスに対する情報は、市場参加者全てが持っていること。
第四に、市場への参入・退出が自由であること。
以上の条件を満たして、初めて市場は完全に機能するとされている。
しかし、現実的には、このような条件を満たした市場は、狭義の市場にしても広義の市場にしても、存在はしていない。
それ故市場は常に不安定である。
安定しているということは、需要・供給が一定で、過不足が生じていないということであるから、市場価格は変動しないということである。
ということは、市場参加者の何人も超過利潤を得られないということである。
ビジネスは競争であるから、誰もが超過利潤を得られないのが常態であれば市場競争は無くなり、経済成長は望むべくもないことになる。
ところで、市場が理想どおりに機能するためには、完全競争・外部性の不存在・情報の完全性等が必要となるが、現実的には
①独占・寡占の発生
②外部経済・外部不経済の存在
③公共財
④情報の非対称性
⑤予想と現実のミスマッチ
⑥流動性選好による不均衡
等があるため、市場は不完全とならざるを得ない。
通信手段が発達し、インターネット時代の今日でさえ、これを全て排除することは困難である。
仮に排除できたら、市場は長期にわたって均衡するので、ゼロ成長社会が到来するが、誰もゼロ成長社会を望んではいない。
昨今、成長が全てに優先するとして市場原理主義が横行しているが、現実の市場が不完全市場である以上、市場競争の結果、所得格差は増大しても、減少することはない。
アメリカのようにやがて日本も1%の勝者と99%の敗者の世界が出現し、社会は大きく不安定化し、文明が崩壊するのかもしれない。
狭義の市場であれ、広義の市場であれ、その市場が完全であるとはいえない。
いやむしろ現実の市場は不完全であるのが常態である。
完全市場とは、一般的に次の条件が満たされている市場をいうとされている。
第一に、市場に参加する者は小規模かつ多数であること。
第二に、提供されるサービスや財が同質であること。
第三に、財やサービスに対する情報は、市場参加者全てが持っていること。
第四に、市場への参入・退出が自由であること。
以上の条件を満たして、初めて市場は完全に機能するとされている。
しかし、現実的には、このような条件を満たした市場は、狭義の市場にしても広義の市場にしても、存在はしていない。
それ故市場は常に不安定である。
安定しているということは、需要・供給が一定で、過不足が生じていないということであるから、市場価格は変動しないということである。
ということは、市場参加者の何人も超過利潤を得られないということである。
ビジネスは競争であるから、誰もが超過利潤を得られないのが常態であれば市場競争は無くなり、経済成長は望むべくもないことになる。
ところで、市場が理想どおりに機能するためには、完全競争・外部性の不存在・情報の完全性等が必要となるが、現実的には
①独占・寡占の発生
②外部経済・外部不経済の存在
③公共財
④情報の非対称性
⑤予想と現実のミスマッチ
⑥流動性選好による不均衡
等があるため、市場は不完全とならざるを得ない。
通信手段が発達し、インターネット時代の今日でさえ、これを全て排除することは困難である。
仮に排除できたら、市場は長期にわたって均衡するので、ゼロ成長社会が到来するが、誰もゼロ成長社会を望んではいない。
昨今、成長が全てに優先するとして市場原理主義が横行しているが、現実の市場が不完全市場である以上、市場競争の結果、所得格差は増大しても、減少することはない。
アメリカのようにやがて日本も1%の勝者と99%の敗者の世界が出現し、社会は大きく不安定化し、文明が崩壊するのかもしれない。