愚か者と軋み合わない世の中 Vol.5
2020.09.24
VOL.05 批判と非難 

 批判とは、相手方の欠点や良くないことを示すものであり、論理の世界である。

 他方、非難とは相手方を感情的に、一方的に責めたり咎めたりする情緒の世界であり、本来的には両者は明確に区別されるべきものと考える。

 しかしながら、現実的には批判を感情ムキ出しにして行うことが多いため、批判された方はしばしば非難されたと思い感情的に対応することになる。

 日本人はどちらかと言えば「沈黙は金」という諺が示すように、相手方にあまりものを言わないことが美徳とされ、欧米人のようにディベートすることには慣れていない。

 したがって、批判的に議論をしようと思っても、感情的な非難の応酬になり、まともな議論ができない。

 批判する方もされる方も、批判と非難の区別がつかないため、喧嘩腰となり、ついには顔を見るのも嫌になり、良好な人間関係を築くことができなくなる。

 本当に困ったものだと思うのだが、今のところどうしようもない。

 筆者も、良い社会とはどうあるべきかと考え、色々とモノを言ったり雑文を書いているが、一部の人間には気にくわないと思われているようである。

 個人的には、情緒的に非難する心算は毛頭ないのであるが、あの野郎は面白くない、無責任にモノを言っているだけだと決めつけて陰で色々と噂を流され、人づてに噂を聞くのは哀しいことである。

 非難されたと思われている以上はまともに議論はできない。

 同じ日本人として寂しい限りである。
 
 いずれにしても、言論の自由は貴重であるから、感情に流されずに議論したいと思うのだが、はたして理性的に議論が出来る日は来るのだろうか。
2020.09.24 16:25 | 固定リンク | 鑑定雑感

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