鑑定業界と相互不信社会 Vol.1
2020.05.21
VOL.01 個人情報保護法施行以前の鑑定業界

 個人情報の取扱いがこうまで神経質にならなくても良かった個人情報保護法以前の社会は、ある意味で居心地が良かった。

 つまり、鑑定評価に必要な情報、特に取引事例・賃貸事例等は個人情報の固まりであるが、不動産鑑定士同士の間では情報交換の重要性等から事例交換等は当り前のことであったからである。

 事例収集がいかに大変で手間暇のかかるものかは、事例収集等を行なった者しか解らないであろう。

 特に地方では、不動産業者等もおらず、売却希望物件がメディア等に掲載されることもないので、情報収集はまさに足で稼いでいくらという時代であった。

 それ故に、情報の貴重さ、情報入手の苦労等が共感できたため、資格者同士お互い助け合って業務を実施してきたのである。

 貴重な情報であるが故に、その取扱いは慎重であったし、相互信頼の絆が固かったからこそ取引事例等の個人情報の取扱いに特に神経質になることもなかたっと考えている。


2020.05.21 11:30 | 固定リンク | 鑑定雑感

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